ユースホステル物語~ドイツ人教師のひらめきが世界に広がる

ユースホステル物語
「青少年が安心して利用できる宿泊施設を」ドイツ人教師のひらめきが世界に広がる。

 20世紀初頭、第二次産業革命に湧くドイツでは急速な工業化に伴って、人々の生活環境にも大きな変化が起きていました。大気汚染による肺病や都市化に伴う精神疾患を患う人が増え、感受性の強い子ども達にはその影響が顕著に表れていました。
 自然豊かな環境で生まれ育ったドイツ人教師「リヒャルト・シルマン」はそんな状況を憂い、生徒達を郊外の森に連れ出し、自然の中で授業を行うことを思いつきました。最初は戸惑っていた子ども達も笑顔を取り戻し、健康になっただけではなく学習の面でも意欲的に取り組むようになったといいます。
 この効果に注目したシルマンは、子ども達を積極的に野外に連れ出して自然の中で授業を行うようになりました。
 1909年夏。徒歩旅行に出かけたシルマンと生徒たちは嵐に見舞われました。近くの農家の納屋を開放するよう求めるも断られ途方に暮れていたシルマン一行は、夏季休暇で使われていなかった学校に避難しましたが、嵐は一向に治まる気配をみせず、生徒達は身を寄せた学校で眠りにつきました。
 「青少年が安心して利用できる宿泊施設がもっと身近にあれば」
 生徒達の寝顔を見つめながらシルマンは「休暇中の学校を青少年に開放する」というアイデアを思いつきました。これが後のユースホステルの原型となるのでした。
 その後ユースホステルは「学びある青少年の旅を支援する運動」として、ドイツ国内にとどまらずヨーロッパ、アメリカへと広がり、第一次世界大戦、第二次世界大戦を経て1951年に日本でも導入されました。



 現在では世界約80の国と地域におよそ3600ヶ所、日本には北海道から沖縄まで約200ヶ所のユースホステルが設置され、世界規模の宿泊施設のネットワークとして青少年の旅を支援しています。
 皆様がユースホステルを利用し会員となりその収益が子ども達や若者の体験活動や国際理解事業など多様な人々が出会う簿や機会の提供、それらを生み出すユースホステルの維持に使われています。引き続きのご支援ご協力をお待ちしています。

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